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復活の日

「復活の日はいつか?」と聞かれたジュハー、
「その復活の日ゆうんは、どれのことや?」
「復活の日がいくつもありますか?」
そう言われてジュハーは
「そうやで、嫁はんが死ぬ日が小復活で、ワシが死ぬ日が大復活や」
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目印 [ジュハー]

ジュハーが町外れで地面を掘っているところにイーサー・ブン・ムーサー・アルハーシミーが通りがかりました。
「おやおや、どないしたんや?なにを掘ったりしてんのや?」とムーサーが尋ねると
「前にこの原っぱにお金を埋めといたんですけど、その埋めた場所が見つけられへんのですわ」
「そんなもん、目印つけとかなアカンがな」
「ちゃんと目印つけとったんでっせ」
「どんな目印や?」
「空の雲ですわ。その陰のあるところを目印にしたんですけどねぇ。今日はその目印の場所がわかれへんのんです」
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誰が正しい? [ジュハー]

とある兄弟が喧嘩をいたしまして、兄の方がジュハーのところへ訴えにやってきました。弟との間に何があったかという話を聞いたジュハー、
「それはアンタが正しい。弟さんはまちごうてる」
お兄さんがジュハーのところから帰った頃に今度は弟がやって来て、お兄さんとの間に何があったかを訴えました。それを聞いたジュハー、
「それはアンタが正しい。お兄さんはまちごうてる」
弟さんが帰って行くと、奥にいて二人の話とジュハーの言ったことを聞いとったジュハーの奥さんが出て来て言いました。
「なんでお兄さんと弟さんそれぞれに『アンタが正しい、相手がまちごうてる』なんてことを言わはったんです?それっておかしな話ちゃいますのん?」
「まあ、怒りないな。アンタが正しい、ワシがまちごうてる」
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何もない [ジュハー]

ジュハーが裁判官をやっていた時、二人の男が争いを持ち込みました。
「この男、重たい荷物を運んでたんやけど、肩からおろして、ワシに『手伝うてくれへんか』ゆうて頼みよったん。ワシが『褒美に何くれる?』って聞いたら『そんなもん、何もないで』言うから、ほなそれでええわって引き受けたんですわ。そんなわけで、その『何もない』っちゅうもん払てくれて言うとるんです。」
それを聞いたジュハー
「なるほど、言う通りや。ほな、まあ、こっちへ来て、この本持ち上げてその下にあるもん取ってくれるか」
男が本を持ち上げたので、ジュハーは聞いてみました。
「本の下に何がある?」
「何もないですわ」
「その『何もない』を持って、とっとと去ね!」
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耳を噛む [ジュハー]

二人の男がジュハーのところへ訴えにきました。
一人の男は「この男がわたしの耳を噛んだんです」と言うんですが、もう一人は「ヤツは自分で自分の耳を噛んだんでっせ」と言うやありませんか。
「まあまあ、ちょっと待っとけ」
ジュハーはそう言い残すと誰もいてないところへと行きました。自分で自分の耳が噛めるもんかどうか試してみよと思たんです。そこで耳を口の方へと引っ張ってみたり、口を耳の方へとゆがめたりをずいぶん長いことやっておりました。と、そのうちに思いっきりひっくり返ってしもて、頭を割ってしまいました。ジュハーは二人のところへもどると
「自分で自分の耳を噛むなんてことはできへんけど、自分の頭割ることやったらできるでぇ」

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入手価格での販売 [賢者達]

泥棒団がロバを盗んだ。泥棒の一人が市場へロバを売りに行くことになった。その途中、魚の入った皿を持った男と出会った。男は
「そのロバは売り物ですか?」
と尋ねた。
「ええ、そうです」
「ちょっとこの皿を持っていてください。ロバに乗ってみて力強さと早さを確認してみたいので」
泥棒が男から皿を受け取ると、男はロバに乗り、急いでロバを走らせ、町へと入るとそのまま逃げてしまった。
泥棒は詐欺師にロバをだまし取られ逃げられたことに気づき、がっかりして魚の入った皿を持って引き返した。仲間たちは顔を見るなり尋ねた。
「ロバはいくらで売れたかね?」
泥棒は答えた
「俺たちがロバを入手したのと同じ値段で。この皿分が利益さ」
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肉をキュウリに [ジュハー]

ジュハーは肉を食べたいと思ってたのですが、奥さんがとっととお肉を料理して恋人と一緒に食べてしまうと、鍋の中にはキュウリを入れておきました。帰ってそれを食べたジュハー
「これ、キュウリやん」
奥さんは「それはお肉ですやろ」と澄まし顔。
そこで別の日、ジュハーが急に帰ってきてみると、ヨメさんが恋人と座っているではありませんか。ジュハーはその男を捕まえると大きな箱の中に入れ、鍵をかけると家から飛び出してヨメさんの実家へと向かいました。そこでおたくらの娘が何をやらかしたかと訴えた訳です。
その間に奥さんは箱を空けて恋人を出してやると、隣の家の仔ロバを連れてきて箱の中に閉じ込めて鍵をかけておきました。ジュハーはヨメさんの両親やら兄弟やらを連れてきて箱を空けましたが、仔ロバがいてるだけです。みんなは「頭おかしなったんちゃうか」とジュハーに言いました。
ジュハーは恥じ入って、奥さんに言いました。
「いや〜、おまえはすごいやっちゃなぁ。肉をキュウリに変えられるんやから、人間をロバに帰ることもできるんやな」
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蕪売りのロバ [ジュハー]

蕪売りが亡くなったので、ジュハーはそのロバと商売道具を買い取った。ロバが蕪を買ってくれていた人たちの家を知っていたので、蕪を売り歩く商売を始めたのだった。ジュハーが売り声を上げると、ロバがけたたましくいななき、ジュハーの声を隠してしまった。別の日には人の往来の多いところへと出かけ蕪売りの声を上げたのだが、やはりロバがいななき、ジュハーの声を消してしまった。
ジュハーは怒ってロバの首にかけた手綱を放り投げて叫んだ。
「おい、よー聞け!蕪売ってるのはオノレか?それともワシか?」
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どっちが悪か [賢者達]

ある日ホスローがパレードの為に出かけたときに、片目の男に出会った。ホスローは悪い予感を覚え、パレードの終了までその男を捕らえておくようにと命じた。
夕方になりホスローは戻ってくると男を釈放してやった。牢から出された男にホスローは言った。
「悪く思うな、そちを見て悪い予感を覚えたので捕らえておくように命じたのだ」
片目の男は言った。
「ホスロー様、悪い予感については、わたしの方こそ当たっていたと申せましょう。あなた様の方がわたしより悪いのですから」
ホスローは腹を立てたが、男は言った。
「お腹立ちになりませぬよう、ホスロー様。あなた様はお城を出られわたしに出会いました。ところが、その後はパレードに出かけられ、ご無事に、よいことだけを見てお戻りになられました。
片やわたしはと言いますと、家から出てあなた様に出会いました。それから捕らえられ、ひどい目のみを見ました」
ホスローはこの後、悪い予感を数え上げるようなことをしなくなったと言う。
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人ごみ [ジュハー]

自分で作った料理を奥さんと食べ始めたジュハー、奥さんに向かって
「あ〜、こんな人ごみやなかったら、むちゃむちゃ美味いんやけどなぁ」と言いました。
「人ごみ?何ゆうてはるんですか。うちら二人っきりですやん」
「いやいや、ワシとポットとそれだけ、っちゅ〜のがええんやけどなぁ…」
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