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陸のアブドッラーと海のアプドッラー(8) [千一夜物語]

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「この宝石はどこで手に入れたのかね?おまえは貧しい漁師であるのに」
 そこで陸のアブドッラーは王様に話をしました。王様は話を聞いておおいに驚き、また、漁師が正直者であることを知りました。そしてよこしまな商人を牢に入れるように命じました。漁師を側へと呼び寄せると、その誠実さを讃え褒美を与えました。王様は言いました。
「もしこの宝石を売ろうと思うことがあれば、わたしのところへ持って来なさい。買い上げよう」
 この申し出に喜んだ漁師は、明日持ってまいりますと約束をしました。翌日にはかご一杯に宝石を入れて王様の宮殿に出かけました。王様はそれを見て驚いて言いました。
「善き人よ、おまえの正直さ、誠実さを好ましく思うぞ。そして泥棒や敵がおまえを狙わないかと心配になってきた。家族と宝石と一緒にわたしの宮殿へ引っ越して来てくれないだろうか。おまえを王国の大臣に任命しよう、そしてわたしの後継者となってくれないか?」
 陸のアブドッラーは話を受け、家族とともに王様の宮殿へと引っ越しました。そして大臣の着物を着ると、人々を公平に扱い、貧しい人たちのために自分の富を費やすようになったのです。
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