陸のアブドッラーと海のアプドッラー(10) [千一夜物語]
友達に歓待してもらった後には、陸のアブドッラーは家族の元へと帰り、海のアブドッラーは海へと潜って行きました。
子ども達と奥さんの元へ帰った陸のアブドッラーは大臣職を続け、公平で知られ、貧しいものに寄り添い、王様が亡くなるまでこの国の王位の代理人であり続けました。
晩年には、陸のアブドッラーは海岸へ行き、友人である海のアブドッラーを呼び、メッカ巡礼へと誘いました。これで信仰が完全なものとなり、神がご満悦くださり、贖罪をさせてくださいました・・・」
ここでシャハラザードは話を終えました。シャフリヤール王は、この誠実と正直と我慢強さを物語る不思議な話を好ましく思い、知識を増やし、心に哀れみを生じさせ、恩寵が長く続くような新しい話を望みました。
シャハラザードは答えました。「仰せのままに」
雄鶏が時をつくり、朝がやって来て、鳥が歌い始めました。
シャハラザードは翌日まで話をやめ、シャフリヤール王は約束を守り、待つのでした。
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