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陸のアブドッラーと海のアプドッラー(2) [千一夜物語]

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 網から石や海藻を取り除いくと、もう一度投げました。しかし再び石や海藻がたくさんかかるだけでした。漁師のアブドッラーは、一日中網を投げては何も採れないということを繰り返し、切なくなってしまいました。やがて、希望もなく、家に帰ろうと心に決めたのでした。
 家に帰る途中、息子と奥さんのことを考えていると、やがて友人の、パン屋のアブドッラーの店の前へとさしかかりました。パン屋である友人の店の前にはパンを買う人で一杯です。
 網を運んでいた漁師のアブドッラーは、人々が焼きたてのパンを持っているのを見て空腹を覚え立ち止まりました。目から涙があふれました。足に痛みも感じます。
 パン屋のアブドッラーはそれを見て、店に招きました。
「どうしたのかね、友よ。どうして今日のパンを買って行かないのかね?」
 漁師のアブドッラーは、朝から自分の身に起こったこと、家族が必要とする食べ物を買うお金がないのだということを語りました。
 そして漁師のアブドッラーはパン屋に言いました。
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